今回は、昨年度私が携わった青森市森林博物館の修繕工事での、上げ下げ窓改修エピソードと、その経験を活かして製作した展示品についてご紹介します。

1. 工事の始まりと謎

工事を受注したものの、私にとって分銅式の上げ下げ窓は未知の世界。どのように開閉するのか、具体的な機構が全く分からず、途方に暮れてしまいました。

2. 青森銀行記念館訪問

藁にもすがる思いで、弘前にある青森銀行記念館へ。ここは重要文化財にも指定されている建物で、分銅が展示されているとのことでした。しかし、残念ながら、窓の機構を完全に解明するには至りませんでした。

3. インターネットでの発見

諦めずにインターネットで情報を探していると、立花家資料館のホームページに辿り着きました。そこに掲載されていた上げ下げ窓の動画を見た瞬間、「これだ!」と確信。動画のおかげで、実際の動きや構造を把握することができ、建具業者の方と情報を共有することで、無事に今回の上げ下げ窓の機構を解明することができました。

立花家資料館のブログ記事はこちら http://www.tachibana-museum.jp/blog/?cat=27

4. 資料館との交流

後日、立花家資料館の方に問い合わせたところ、「お役に立てて嬉しい」という温かい言葉をいただきました。この言葉に深く感銘を受け、今回の工事で取り外した古い上げ下げ窓を使い、展示品を作ることを決意したのです。

5. 展示品作成への想い

完成した展示品には、上げ下げ窓の機構だけでなく、森林博物館の魅力、そして、私と同じように古い建物の修繕に携わる職人さんたちの役に立ちたいという想いを込めました。この経験を通して、技術的な知識はもちろん、歴史的な建築物への敬意、そして地域社会への貢献という、非常に意義深いものを得ることができました。

この展示品が、多くの人に何かを感じてもらうきっかけになれば嬉しいです。青森市森林博物館にお越しの際は、ぜひご覧ください!

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